住吉大社は敷地が物凄く広く、たくさんの神社が存在しています。

それぞれの神社に色々な神様がおられ、様々な御利益をお与え下さいます。

何かをお願いしたくて住吉大社に参拝される方が、願い事に関係性の深い神社を選べるように、住吉大社にある神社の御利益を一覧にしてみました。

中にはご利益とはちょっと違う神社もありますが、一応どういう方が祀られているのかという事を記載しておきます。


本社 航海安全


その神社で一番メインとなりうるの神社の事を「本社」と言うのですが、住吉大社はこの本社が四社あります。(普通は1社です)




第一本宮



第二本宮



第三本宮



第四本宮

祭神

第一本宮:底筒男命(そこつつのおのみこと)
第二本宮:中筒男命(なかつつのおのみこと)
第三本宮:表筒男命(うわつつのおのみこと)
第四本宮:神功皇后(じんぐうこうごう)
第一本宮から第三本宮までは住吉三神と言い、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が禊(みそぎ)をした時に生まれた神様で、属性的には水の神になり、よって御利益は「航海安全」という事になります。

第四本宮の神功皇后は第十四代目天皇、仲哀(ちゅうあい)天皇の妻であり、第十五代天皇応神(おうじん)天皇の母親に当たり、その子供を産む際に奇跡的なエピソードがある事から安産祈願系の神様とされています。

通説的には住吉大社の本社の御利益は「航海安全」一択という事になっていますが、末社である「種貸社」は子宝・安産・夫婦和合・子孫繁栄等の神様がおられます。(後程説明)


楯社(たてしゃ) 戦いの神



次に紹介する鉾社同様、本社境内の前方左右に配置された神社で、本四社を守る役割でそこにおられます。

祭神は

武甕槌命(たけみかづちのみこと)
で、戦いの神様として知られております。

あくまでも本社を守るのが目的なので、ご利益云々という事ではないと思います。


鉾社(ほこしゃ) 刀神



前述した楯社と同じく本四社を守る役割で配置されている神社で、まさに「楯(たて)」と「鉾(ほこ)」で両サイドをがっちり固めているというイメージです。

祭神は

経津主命 (ふつぬしのみこと)
で、楯社の武甕槌命(たけみかづちのみこと)と同一視される事もあるのですが、刀が神格化されたとも言われています。

ですので楯社と同じく戦いの神様という事になるのですが、やはり本社を守るのが目的なので、ご利益云々という事ではないと思います。


摂社

摂社とは本社の神様とゆかりの深い神社の事で、どれも海に関する神様が祀られています。


大海神社 航海安全・大漁・縁結び



大海神社の祭神は

豊玉彦命 (とよたまひこのみこと)
豊玉姫命 (とよたまひめのみこと)
になり、漢字の並びから見れば夫婦神と思ってしまいますが、実は親子になります。

豊玉彦命(とよたまひこのみこと)が親で豊玉姫命(とよたまひめのみこと)が娘という関係で、基本的には海に関する神様ですが、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)は山の神様と結婚をした事から、本来あり得ない出会いという事で、縁結びの御利益もあるとされています。

ちなみに豊玉彦命 (とよたまひこのみこと)は別名、綿津見神(わたつみのかみ)という名でそちらの方が有名な呼び方になります。

書物によって名前が違ったりとややこしいのですが、とにかく海に関する神様だという事は間違いありません。


志賀神社 航海安全



祭神は

底津少童命 (そこつわたつみのみこと)
中津少童命 (なかつわたつみのみこと)
表津少童命 (うわつわたつみのみこと)
になります。

本社の住吉三神が

底筒男命(そこつつのおのみこと)
中筒男命(なかつつのおのみこと)
表筒男命(うわつつのおのみこと)
なので、名前が非常に似ています。

最初はもしかして同じ神様かと思いましたがどうやら違う様で、むしろ志賀神社の方が先にお生まれになったそうです。

生まれ方は本社住吉三神と同じで伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が禊をした時に生まれたとされています。

それでも海に関する神様という事は間違いないので、よって御利益は航海安全が本筋になります。

大海神社及び志賀神社の詳しい内容はこちら↓(志賀神社は大海神社内にあります)



船玉神社 航海安全・交通安全



祭神は

天鳥船命 (あめのとりふねのみこと)
猿田彦神 (さるたひこのかみ)
になり、天鳥船命 (あめのとりふねのみこと)は船が神格化したもので、姿は船そのものという事になります。

よって、ご利益はここでも航海安全が本筋になります。

一方、猿田彦神 (さるたひこのかみ)は幾つもの分かれ道に立ち往生していた神様の道案内をした事から、「導きの神」とされ、よって交通安全的なご利益が本筋とされています。


若宮八幡宮 勝利祈願・武勇超久・出世開運



ここで色合いの違う神様で出てこられました。

いわゆる「八幡(はちまん)さん」で、〇〇八幡宮という神社はよく耳にするのではないでしょうか。

祭神は

誉田別尊 (ほんだわけのみこと)
武内宿禰 (たけしうちのすくね)
になり、誉田別尊 (ほんだわけのみこと)は本社第四本宮の神功皇后の子供にあたります。つまり、誉田別尊 (ほんだわけのみこと)は第十五代天皇の応神天皇の事です。

一方、武内宿禰 (たけしうちのすくね)は五代の天皇に仕えた家来で、300歳くらいまで生きた長寿の持ち主と言われています。

もちろん使えた天皇の中に応神天皇も含まれています。

利益は八幡さんと言えば「必勝祈願」ですね。誉田別尊 (ほんだわけのみこと)は戦いに長けた神様だという事が解ります。


末社

種貸社 子宝・安産祈願



祭神は

倉稲魂命(うがのみたまのみこと)
で、命の源とされていた“稲”を司る神様で、代表的な御利益は子宝・安産祈願ですが、全ての元となるという意味で、商売の資本金や知恵等も授かってくれます。


兒安社(こやすしゃ) 子育て・縁結び・鈴なり・子孫繁栄


祭神は

興台産霊神(こごとむすびのかみ)
で、どういう神様かは不明なのですが、木札には

子育て
縁結び
鈴生り(たくさん群がりなっている事)
子孫繁栄
とされていて、子宝に恵まれた後の発展に関するニュアンスが強いように感じました。


海士子社(あまごしゃ) 子宝安産・夫婦和合


祭神は

鵜茅葺不合尊(うがやふきあえずのみこと
で、元々は農業の神様になります。 そこから発展して「子宝安産」や「夫婦和合」の御利益があるとされています。

種貸社及び兒安社(こやすしゃ)、海士子社(あまごしゃ)の詳しい内容はこちら↓



楠珺社(なんくんしゃ)/ 商売繁盛



祭神は

宇迦魂命 (うがのみたまのみこと)
で、元々は五穀豊穣の神様になります。そこから発展して商売繁盛のご利益があるとされています。

本社は京都の伏見稲荷大社で、そういえば所々にお稲荷さんがいらっしゃいました。





侍者社(おもとしゃ)/ えんむすび・夫婦円満



祭神は

田裳見宿禰 (たもみのすくね)
市姫命 (いちひめのみこと)
で、初代神主とその妻神様が祀られていて、神社も本社内にあります。


市戎大国社/ 商売繁盛



祭神は

市戎社 事代主命 (ことしろぬしのみこと)
大国社 大国主命 (おおくにぬしのみこと)
になり、いわゆる「えべっさん」と「だいこくさん」になります。

ご利益は一応「商売繁盛」という事になっているのですが、この神様自体は縁結び系・健康系・交通系等の様々な御利益があります。


浅澤社/ 美容・芸能



祭神は

市杵島姫命 (いちきしまひめのみこと)
になり、いわゆる七福神の「弁天さん」になります。

ご利益は「安産祈願」「子宝祈願」「商売繁盛」「旅行・交通安全」「金運上昇」「芸能」という事ですが、浅澤社は特に美容と芸能の神様として親しまれています。

浅澤社の詳しい内容はこちら↓



大歳社/ 収穫・集金



祭神は

大歳神 (おおとしのかみ)
になり、最初は五穀豊穣の神様だったのですが、集金のご利益も加わるようになりました。

大歳社の詳しい内容はこちら↓



新宮社(しんぐうしゃ)



祭神は

伊邪那美命 (いざなみのみこと)
事解男命 (ことさかのおのみこと)
速玉男命 (はやたまのおのみこと)
になり、伊邪那美命 (いざなみのみこと)は日本国をお造りになった神様で、生命の祖とされており、事解男命 (ことさかのおのみこと)は悪縁切り、速玉男命 (はやたまのおのみこと)は厄除けの神様として知られています。

この新宮社自体にご利益を求めるというより、熊野の神様を信仰されている方の遙拝所的な神社になります。


八所社(はっしょしゃ)/ 疫病退散



祭神は

素盞嗚尊(すさのおのみこと)
になり、京都の祇園信仰のお社になります。

祇園信仰と言えば、祇園祭・八坂神社が有名で、ご利益は「疫病退散」になるのですが、素盞嗚尊(すさのおのみこと)自体は武の神様とも言われるくらい暴れん坊な神様で、それは災いをも払うという事から厄除けの神様として知られています。


今主社(いまぬししゃ)



祭神は

素盞嗚尊(すさのおのみこと)
になり、住吉大社48代目の神主さんだそうです。

ご利益が云々という事ではさなそうです。


斯主社(このぬししゃ)



祭神は

国盛霊神(こくもりのみたまのかみ)
になり、住吉大社第43代目の神主さんだそうです。

ご利益が云々という事ではなさそうです。


薄墨社(うすずみしゃ)



祭神は

国基霊神(くにもとのみたまのかみ)
になり、住吉大社第39代目の神主さんだそうです。

同じくご利益が云々という事ではなさそうです。


招魂社(しょうこんしゃ)



住吉大社に関わる様々な方が祀られている社で、こちらもご利益が云々という事ではなさそうです。


五社(ごしゃ)



↑の写真を見て解るように、一つの建物に五つのお社があります。

祭神は左から順に

神奴社

大宅社

高木社
津社

狛社
板屋社

大領社
となっていて、先ほどご紹介した侍者社(おもとしゃ)の祭神「田裳見宿禰(たもみのすくね)」の七人の子供から始まる神職の家という事らしいです。

これ以上詳しい事は解りませんが、とにかくご利益が云々という事ではなさそうです。


后土社(ごどしゃ)



祭神は

土御祖神(つちのみおやのかみ)
になり、「御祖(みおや)」というのは母親という意味があるので、その場所の土地を守護する神様という意味になります。

ですので境内全体をお守りしている神様になり、ご利益が云々という事ではなさそうです。


星宮(ほしのみや)



祭神は

国常立命(くにのとこたちのみこと)
竃神(かまどのかみ)
になり、国常立命(くにのとこたちのみこと)というのはかなり凄い神様で、この世界が始まった時、最初にあらわれた神様とされています。

ですので日本国という国土の根源的な神様で、国土安泰の神様とされています。

竃神(かまどのかみ)は火の神様で、台所や昔の囲炉裏等に祀られている事が多く、火除けの神様として信仰されています。

しかし星宮は星の神様として祀られており、七夕の日には短冊を笹につけて祭典を行います。

星の神様なのに、何故この二柱の神様が?と疑問もありますが、かなり凄い神様なのは間違いありません。


立聞社(たちぎきしゃ) / 縁切り



祭神は

天児屋根命(あめのこやねのみこと)
なり、詞や言霊に関する神様とされています。

何故かは解らないのですが、住吉大社の立聞社では悪縁等を切る縁切りの神様として祀られています。


貴船社 / 水の神様



祭神は

高龗神(たかおがみのかみ)
になり、水の神様になります。

その名の通り本社は京都の貴船神社にあります。

日照りや逆に豪雨を防いだりと水に関するご利益があります。


龍社(たつしゃ)



祭神は

水波野女神 (みづはのめのかみ)
になり、やはり水に関する神様になります。

具体的にはどういう神様かは解かりません。


最後に お礼参りは必ず行きましょう

神社に願い事をしに行く方はたくさんおられると思います。しかしながらその後にお礼参りをする方は少ないのではないでしょうか。

お礼参りは必ず行くようにしてください。正式な形である必要はなく、その神社にもう一度参拝し、感謝を伝えるだけでOKです。

要は気持ちの問題です。


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