大阪市の治安が悪そうなランキングで常に上位に来るのが「平野区」「西成区」そして「生野区」になります。

多くの方は生野区に対して「怖い」「ヤバそう…」等のイメージを持っておられているのではないでしょうか。

「生野区=治安が悪い」というイメージが定着してしまっているので、生野区に住む予定の方なら特に気になる所だと思います。

そこで今回は長年生野区に住んでいた僕が、客観的なデータと実際に住んでいる実感の両方の観点から、生野区の治安についてお話していきたいと思います。


まずは客観的数字から判断してみよう

まずは客観的な数字から生野区の治安を判断してみましょう。

下記の数字は2010年の大阪24区の人口と2009年の刑法犯認知件数(殺人・強盗・強姦・暴行・傷害・詐欺・窃盗・放火など、ざっくり言えば重い犯罪の事)になります。

10年前のデータになりますが、こういうのは突発的に増えるものではありませんから、割合で言えば今もそこまで変わらないと思います。


大阪24区人口ランキング

平野区 200005人
東淀川区176585人
淀川区 172078人
城東区 165832人
住吉区 155572人
生野区 134009人
東住吉区130724人
住之江区127210人
西成区 121972人
鶴見区 111182人
北区  110392人
阿倍野区106350人
都島区 102632人
西淀川区 97504人
旭区   92455人
港区   84947人
西区   83058人
東成区  80231人
中央区  78687人
天王寺区 69775人
大正区  69510人
福島区  67290人
此花区  65569人
浪速区  61745人
まず人口ですが、生野区は上から6番目に多く、犯罪は人間が犯すものですから、犯罪件数というのは人口に比例する所がかなり大きいです。

それを踏まえて次に犯罪件数を見ていきましょう。


大阪24区刑法犯認知件数ランキング

中央区  8467件
北区   7468件
平野区  4898件
西成区  3842件
淀川区  3817件
浪速区  3490件
東淀川区 3119件
東住吉区 3014件
住吉区  2989件
住之江区 2919件
生野区  2729件
都島区  2679件
城東区  2532件
西区   2403件
天王寺区 2379件
阿倍野区 2349件
鶴見区  2150件
旭区   1879件
東成区  1791件
港区   1624件
西淀川区 1505件
福島区  1435件
此花区  1386件
大正区  1213件
元々人口が多かった区と、中央区や北区のように勤務等で人が密集する所が上位に来ていますね。

やはり人口に比例して犯罪件数が増えるという事が解ります。

生野区は人口が上から6番目なのに対して犯罪件数は上から11番目になります。そこまで悪くはないという事が解ると思います。

ここで注目してほしいのは西成区の存在です。

人口の多さは上から9番目なのに対して、犯罪件数は上から4番目に来ています。

やはりここはちょっと特別な所だという事が解ります。

ただ、西成区全体がそうだという訳ではありません。西成区の中の一部のエリアが突出して治安が悪い所があるというのが正しい見方になります。(そのエリアに行くとよく解りますが、明らかに空気が一変します)

同じ治安が悪いというイメージが強い平野区は、そもそも人口が多いので、まあそれなりにと言った所でしょうか。

そして最後に犯罪件数と人口を割った「犯罪発生率」を見ていきましょう。


大阪24区犯罪発生率ランキング

中央区 10.760%
北区   6.765%
浪速区  5.652%
天王寺区 3.410%
西成区  3.150%
西区   2.893%
都島区  2.610%
平野区  2.449%
東住吉区 2.306%
住之江区 2.295%
東成区  2.232%
淀川区  2.218%
阿倍野区 2.209%
福島区  2.133%
此花区  2.114%
生野区  2.036%
旭区   2.032%
鶴見区  1.934%
住吉区  1.921%
港区   1.912%
東淀川区 1.766%
大正区  1.745%
西淀川区 1.544%
城東区  1.527%
やはり人が密集する都会が上位にランクインされていて、生野区等の住宅地がメインの所は結構下に下がったのが解ると思います。

結果、客観的な数字だけで見ればそこまで治安が悪いとは言えないという事が解りました。


実際に生野区に住んでいた人間の実感として

では実際に元生野区民である僕の実感をお話していきましょう。

結論から言うと、確かにガラが悪い感は否めないが、イメージ程ではない。というのが率直な所です。

生野区は土着的な所なので、昔からそこに住んでいるという方が非常に多いです。

そして下町風情が色濃く残された所なのでいわゆる「大阪のおっちゃん」や「大阪のおばちゃん」がたくさんいらっしゃいます。

僕は昔、ピザのデリバリーやチラシのポスティングのアルバイトをしていたり、写真で色んな街を撮るのが好きなので、人一倍大阪の色んな街を見てきたという自負があります。

高級住宅街や外から来た人で作られているニュータウン等は非常にガラが良く、大阪のイメージとは程遠いものがあります。

それに比べれば生野区はコテコテの大阪感満載なので、外からぱっと見た感じではガラが悪く見えるのもしょうがありません。というか僕ですらガラが悪いと感じるくらいです。

しかし、多くの方が抱いているイメージ程ではありません。

毎日殺人事件が起こっているとか、夜は一人で出歩けない等あたかもスラム街のごとく扱われていますが、そんな事はあり得ません。

実際に僕は夜にジョギングをしていましたし、仕事が遅い日は夜中に帰る事もありますが、特に危険を感じた事はありません。

こういうものは外から見ればイメージだけが先行し、どんどん誇張されていくもので、東京の両国という街は力士しかいないというのと同じレベルです。


在日韓国人が最も多い町

そして生野区は在日韓国人が日本で一番多い町でもあり、というよりも突出していて、2位の東成区と比べても1桁違っていて、6~7人に1人が在日韓国人という多さです。

僕は韓国という国は政治的にはあまり好きではありません。しかしそれだけの理由で個人を攻撃したりする事は無いという立場です。

そんな立場の僕から見た生野区の在日韓国人はどう写っているのか?という事ですが、これは嘘偽りなく言いますが良い人が多いです。

友達がいる訳ではありませんが、生野区内で働いていた時の職場のお客さんと接していて素直にそう感じました。

中には反日的な人がいて、危害を加える方もいるようですが、少なくとも全員が全員そうではないという事は言い切れます。

それらを踏まえて生野区の治安は冒頭で紹介したあの客観的数字となっています。
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