住吉大社の中でひと際おニューな雰囲気のある種貸社。

一般的には安産祈願で有名ですが、実はそれだけではありません。

あの一寸法師にも由来があったりと、“種”には色々な意味合いが含まれているそうです。

今回はそんな種貸社を見ていきましょう。


種貸社の場所


種貸社は以前にご紹介した「大海神社」の隣に位置し、本社から少し離れた所にあります。



境内にはいくつかの神社が存在していますが、鳥居をくぐった先にあるこちらが種貸社になります。

祭神は「倉稲魂命(うがのみたまのみこと)」と言い、名前にある稲は命の源とされていて、それを司る神様という事から子宝や安産祈願の御利益があるとされています。





こちらは種貸社の裏側にある絵馬を奉納する所で、お母さんが赤ちゃんを抱いている像が印象的です。


おとぎ話、一寸法師にもまつわる


有名なおとぎ話の一寸法師にも此処、住吉大社が出てきます。

住吉大神にお祈りをした所、子宝に恵まれたという話があり、それは本社第四の神様も住吉大神のご加護によって子宝に恵まれたという所から来ています。

やはり子宝にまつわる由来が多いので安産祈願として知られるようになりましたが、実はそれ以外にも農業を始める時の種を授かったり、商売をする際の資本、良い知恵等を授けてくださる神様として知られています。

今あるものが発展していくというタイプではなくて、0を1にするというのが本筋でそういう意味でやはり“種”なんですね。


種貸社の他にも二社神社がある


そして種貸社内には種貸社以外にも二社の神社が存在するので見ていきましょう。


兒安社(こやすしゃ)


“兒”は児の旧字体になり、木札にはそちらを使われていました。

祭神は「興台産霊神(こごとむすびのかみ)」で、どういう神様かは不明なのですが、木札には

子育て
縁結び
鈴生り(たくさん群がりなっている事)
子孫繁栄
とされていて、子宝に恵まれた後の発展に関するニュアンスが強いように感じました。


海士子社(あまごしゃ)


“海”の字が入ってますが、祭神は「鵜茅葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)」で元々は農業の神様になります。

そこから発展して「子宝安産」や「夫婦和合」の御利益があるとされています。


終わりに 子を思うお母さんの愛に包まれた場所


あくまでも僕の所感ですが、境内に入ると母親との事を思い出します。

もちろんそういう所ですから思い出しやすいのでしょうが、ここを訪れる人はみなさん元気な子供が生まれてきて欲しいと願っているはずです。

そんなお一人お一人の子を思うお母さんの愛が充満し、そこに行くとそれらに包まれるのだと思いました。


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