狸谷山不動院ガイド もっと知られるべき本当の意味での穴場スポット

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京都の観光地は大体行き尽くされた感があり、いわゆる穴場的な所も見つかりにくいのですが、今回ご紹介する狸谷山不動院(たぬきだにさんふどういん)は本物の穴場になります。

まず敷地がとても広く自然そのものに囲まれていて、見所もたくさんあり、「狸」という可愛らしいシンボルも存在して、観光地としても非常に魅力的です。

しかしながらガイドブック等では非常に小さな扱いしか受けていません。

よって人は少なく、ゆっくりと観光する事ができます。

観光地の魅力としてはあの伏見稲荷大社に匹敵するとも思っています。

今回はそんな狸谷山不動院魅力を余すところなくお伝えしたいと思います。



狸谷山不動院ってどこにあるの?



ざっくり見ると↓



かなり簡略された地図になりますが、グーグルマップを見ても解るように狸谷山不動院は山の中にある寺院になります。

ですのでこれ以上は書きようがなく、右半分は本当に何も無い所になります。

電車でお越しの方は叡山電鉄の一乗寺駅で降りて、駅前の道を道なりに真っ直ぐ進むと着き、途中で看板等も掛かってあるので、特に迷う事はありません。

しかもこの道は詩仙堂等この周辺の観光地に行く時によく使う道になります。





しかし坂道+心臓破りの階段が凄い

その代わりと言ってはなんですが、山の上なので道中は基本坂道になります。



途中で振り返ると街が一望出来る。

↑の写真でまだ詩仙堂くらいの所になり、ここからどんどん坂道が険しくなっていきます。






その険しい坂を更に上っていくと、「狸谷山」と書かれた看板と止まれの標識が見えてきます。ここが狸谷山不動院のふもとになります。


狸谷山不動院ってどんな所?


狸谷山不動院は文字からも分かるように、動物の狸がシンボル的存在になっています。

しかし元々は「咜怒鬼(たぬき)不動明王」というお不動さんが安置されたのが始まりになります。

動物の狸がシンボリックになったのは民間信仰によるもので、人々が狸の置物をそこらに置いて行くようになりました。

現在も境内を歩くと、そこらじゅうに狸の置物が置かれています。




一応のメインはこの「咜怒鬼(たぬき)不動明王」へ詣でる事ですが、この狸谷山不動院はかなり懐が深く、他にも見所が山のようにあります。

それをこれから紹介していきます。


狸谷山不動院ガイド


それでは狸谷山不動院のふもとにあたる↑の写真の所から見ていきましょう。

このふもとからスタートして一番てっぺんに本堂があるので、順番に説明していきます。

ですので実際に行かれる場合はこの説明順に遭遇する事になります。


自動車祈禱所


まずふもとを少し上ると自動車の祈祷所があります。

要は交通安全祈願になるのですが、京都の方はここで祈願される方が多いと聞きます。





このステッカーが貼られている京都ナンバーの車は結構見かけます。





この祈祷所を横目に更に坂を上って行きます。ここからがいよいよ本番になり、木々に囲まれた山の中という感じが漂ってきます。

よく狸谷山不動院は怖いと言われますが、それはこの山道に原因があり、民家等も無くなって急に静けさに包まれるからになります。


お地蔵さん


しばらくこの山道を道なりに歩くと、ほこらが見えてきます。(「火の用心」という看板が目印です)






お地蔵さんが祀られています。


たくさんの狸と石碑


お地蔵さんをそのまま真っ直ぐ進むとたくさんの狸があり「狸谷山不動院」と書かれた石碑が立っています。

ここが入り口にあたり、その奥に鳥居もあります。







ちなみに狸谷山不動院は芸事や勝負事のご利益があるともされていて、↑のようにスポーツ選手なんかもお参りにこられます。


白龍弁財天



入り口の鳥居をくぐると、目の前にこれまた鳥居が並んでいてその先に「白龍弁財天」が祀られています。

弁財天とは字の如く金運関係のご利益がある神様になります。

そしてこの白龍弁財天くらいから、狸谷山不動院名物「心臓破りの階段」が始まります。


心臓破りの階段の始まり


これから心臓破りの階段を上って行く事になるのですが、段数はなんと250段あります。

単に250段ではなく道中の坂道を上った後での250段ですから、それはもうハードです。





階段の踊り場にあたる平坦な所では、このように狸さんが現在の段数を教えてくれます。


七福神


確かに階段の道のりは長いのですが、途中途中で見所があるので、それらを見ながら行くと良い休憩になります。

階段が始まって最初の見所は七福神です。

ここにも狸がたくさんいて、狸と七福神のコラボは中々微笑ましい光景です。









弘法大師像


狸谷山不動院が怖いと言われているもう1つの理由に、この弘法大師像があげられます。

ハァハァと息を切らして階段を上っていると何か人の気配が感じられ、パッと見上げればそこに凄くリアルな銅像が立っています。

初めて行かれた方はかなり怖いと思います。





遠くからでもこの気配




そしてこの迫力。


弘法大師 光明殿


弘法大師像を超えて階段を上り切った所に弘法大師が祀られているお堂があります。





ここまでくればあともう少しで、向こうの階段の奥が本堂前になります。







浪花千栄子さん(おちょやん)の石碑


本堂前の階段の途中にNHKのテレビ小説「おちょやん」のモデルになった女優、浪花千栄子さんの石碑があります。

浪花千栄子さんは昭和30年頃、よく参拝に来ていたそうです。

狸谷山不動院は芸事のご利益もあるのは先ほどの通りですが、阪神タイガースの吉田監督が来ていたりと、信仰の厚さが伺えます。


本堂前


この階段を上り切ったら広い所に出ます。階段の段数を教えてくれる狸さんが反射して解りにくいですが、ここで206段です。





左側の階段を上った所に本堂の入り口があるのですが、本堂前にも色々な見所があります。

なのでほとんどの方は「参拝順路→」という標識の通り、右側からぐるっと回って行きます。

ちなみに黒い鳥居みたいなものの向こうにある広場は、毎年夏に行われる「火渡り祭」の火渡りが行われる場所になります。

毎年様々な方が参加され、色々な願いを込めて火に囲まれた道を渡られます。(火の上を渡る訳ではありません)







ウスマサ明王・三社明神堂


三社明神は「衣・食・住」の神様になり、ウスマサ明王はトイレの神様になります。

↑の写真に写っているお社が三社明神で、ウスマサ明王のお社は解りにくいですが、囲い内に三社明神と向かい合うようにあります。








宮本武蔵修行の滝



昔この辺りで宮本武蔵一人と吉岡清十郎一門の「一対数十人」という決闘があったのですが、その決闘前にここの滝に打たれて修行をしたそうです。

その時に色々な事を悟り、決闘には見事に勝ったそうです。



当時は物凄い勢いで流れていたであろう滝も現在はほとんどながれておらず、不動明王の像がおられます。


水子地蔵


そして階段を上り切った所に水子地蔵がおられます。

水子とはこの世に生まれる事なく生を終えた命の事で、狸谷山不動院に来ると必ず参拝しています。










登山口


狸谷山不動院は山の中にあるのでハイキングも出来ます。





注意書きの「ハチ・サル・熊には注意下さい」が自然の険しさを物語っています。


休憩所



休憩所もあり、飲み物も販売しています。


本堂


ハードな坂道、心臓破りの階段を上った先に、いよいよ本堂の登場です。





所でお堂の下の木組みですが、どこかで見た事ありませんか。

実は清水寺と同じ手法で組まれていて、「懸崖造り(けんがいづくり)」という手法との事。





こちらが本堂の入り口になり、この中に咜怒鬼(たぬき)不動明王が祀られています。

本堂に入るには入山料500円が必要になります。

祈祷等もおこなっていて、ガン封じのご利益で有名です。


終わりに 非常に懐が深い狸谷山不動院

1つの寺院でこれだけの見所があるのも中々珍しく、観光としてもかなり魅力のある所なのに、ガイドブック等では何故か扱いが小さいです。

人はいるにはいるのですが、コロナ前から見ても人気観光地のようにごった返している事はまずありません。

僕個人的にも京都のおすすめ観光地で間違いなくベスト5に入ります。

これからも狸谷山不動院を推していきたいです。
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